ドラマで考える医療倫理

權 ト揆
韓国
梨花女子大学校医科大学校
医学教育学 教授
この「ドラマで考える医療倫理」シリーズは、アジア諸国はいうに及ばず世界的にみても極めて価値ある貴重な医療倫理学教育ツールである。どの巻のドラマも実によく出来ていて、臨床現場で実際に遭遇しがちなケースを細部に至るまで丁寧に描いている。
これらのドラマケースを観ることで医療系学生は、それぞれのケースがふくみもつ実に様々な倫理問題に思いめぐらし、問題解決能力のみならず倫理的な感性を備えた医療者になるべく、将来の自身の姿へと思いを馳せるだろう。医療倫理学教育に対するひたむきな熱意をもって制作にあたられた服部健司教授らに心から感謝の念を表し、本教材シリーズが、医療倫理学教育に大きな関心を寄せる多くの国々の多くの医療系教育機関で広く活用されることを願いたい。

服部健司教授らの医療倫理ドラマは、医療倫理学教育においてひとつの革新的な閃きであると申し上げたい。どのドラマも実に多くの問題を含んでいて味わい深く、繊細かつリアルな描写で、観る者のさまざまな思いや考えを見事に引き出してくれる。私自身、小グループ・ディスカッションでこのドラマシリーズを使っているが、その経験を記させていただくと、ドラマによって学生たちの議論はいつも大いに盛り上がり、とても豊かなものになっていく。このシリーズは医療倫理学教育者にとってまこと使い勝手のよい、効果的で強力なツールである。
(蔡 教授は、目下進行中の北京語字幕版制作の監修にあたられてます。台湾大学医学部6年生・河合 徹氏のご協力をいただいています。)
蔡 甫昌
台湾
国立台湾大学医学系
医療倫理学 教授

「春の約束」は2006年7月、ソウル・梨花女子大学校で開かれた「ユネスコ・アジア太平洋生命倫理教育会議」、続いて奈良で開かれた「第38回日本医学教育学会」、2008年11年、インドネシア・ジャカルタで開かれた「第9回アジア生命倫理会議」、ついで12月に国立台湾大学主催で台湾全土の医療倫理学研究・教育者を集めて開かれた「医学倫理教学国際研討会」で試写されました。インドネシアおよび台湾では同時に「知らなくていい」の試写も行われ、他国の研究教育者の方々の関心を集め、高い評価をいただきました。
現在、「ドラマで考える医療倫理」は、他の国々でも活用していただけるよう、英語字幕、北京語字幕、インドネシア語字幕、そして日本語字幕版の制作が進行中です。
海外での上映歴
